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"東京名所 新富座暁景" (1881) 歌川国利
制作年: 明治14年(1881)
出版人: 井上茂平
種類: 木版
原版/再版: 原版
解説: 歌川国利による東京名所、新富座暁景。
天保の改革で猿若町へと追いやられた江戸三座の守田座が、京橋新富町へ「復帰」を果たしたのは、明治5年(1872)のことでした。この守田座を改称して、明治8年(1875)に誕生したのが新富座です。
ここに描かれた新富座は、明治9年(1876)に類焼を受けて失われたあと、明治11年(1878)に再建されたものです。明治初めから中頃にかけて一時代を築いた新富座は、歌舞伎座の登場に伴って衰退し、活動写真館や松竹歌劇団の練習場へと転用されたのち、関東大震災で失われました。
"新富座は何度も手入れはしたけれど、震災前までとにかく大体の輪郭を保っていた。鼠木戸、海鼠(なまこ)壁、絵看板、庵看板、そういったものに昔のおもかげを長くとどめていたのもこの芝居だった" 鏑木清方「明治の東京」
Date: 2006/12/15 10:01:20 | Posted by mikio | Permalink | Comments (0)